長野農業農村支援センター 二ツ山 柴野さん
皆さん、こんにちは。
夏前に植えた、夏野菜は順調に収穫できていますか?
私は、今年から自宅のべランダでプランター農園を始めました。きゅうりでは、農薬をまくタイミングを逸し、アブラムシが大量に発生してしまったため、他の作物へ移らないよう成長した苗を抜き、今年の収穫はあきらめました。
皆さんも、上手にできたこと・上手にできなかったこと、どちらもあると思いますが、来年の栽培に活かせるよう、覚えておきましょう!
さて、今年は、梅雨らしい梅雨は無かったように感じますが、気象庁によると平年より1日早い7月18日に梅雨明けが発表されました。
また、7 ~ 9月の平均気温は平年と比べ暑くなる見込みです。熱中症にならないように、のどが渇くまえにこまめに水分補給を行い、できる限り炎天下での作業は避けるようにしましょう。また、局所的な豪雨も多く、雷への注意も必要です。まだ雨が降ってない場所でも雷が落ちる場合もありますので、遠くで音が聞こえたらすぐに作業をやめましょう。
お盆を迎えると、そろそろ秋野菜の作付の時期と思われる方も多いのではないでしょうか。今日は秋野菜の種まきと、その後の管理についてお話します。また、今回から数回にわたり、農薬の基礎知識をご紹介していきます。改めて、農薬について理解をいただくとともに、適切な利用を心がける機会としていただければと思います。
はじめにハクサイについてお話します。ハクサイは気温が1 0 ℃を下回ると生育が低下し、5 ℃以下になると生長がとまります。長野地域の標高約4 0 0 mの平年気温は1 1月上旬頃に平均気温が1 0 ℃となります。そのため、1 1月上旬に収穫できるように生育期間を逆算して播種日を決めると良いでしょう。
例えば、種まきから収穫まで7 0日かかる品種で1 1月上旬に収穫する予定とした場合、気象庁の長期予報等で平年通り推移する予報であれば、8月下旬に種をまきます。畝幅は5 0 ~ 6 0 cm、3 5 ~ 4 0 cmの間隔で1か所に3 ~ 4粒まきます。間引きは、発芽して本葉3枚くらいまでに生育の悪いものや病害虫の被害があるものは抜き取ってしまい、生育の良い1本を選びましょう。
間引き後は追肥を行い、軽く土寄せをします。ハクサイは肥料をきらさないように管理することが重要ですが、結球が始まってから追肥すると葉の白い部分に黒い斑点がでる「ごま症」の発生が多くなりますので注意しましょう。ただ、この「ごま症」は病気ではなく生理障害であり、食べる分には問題はありません。貯蔵していある間にも発生することもありますので、発生したからといって神経質になる必要はありません。
ハクサイが生育する時期はまだ暑い時期であり、害虫にも注意が必要です。
播種後に寒冷紗や防虫ネットでトンネル被覆するのが効果的です。
栽培面積が広い場合はセルなどで育苗して苗を定植する方法もありますが、
ハクサイは定植すると根が傷みやすく、また、根の張りが良くなるので直播(じかまき)の方が丈夫に育っと言われています。
次にタマネギについてお話します。
タマネギは、種まきして育苗した後に定植するか、苗を購人して栽培する方法があります。種まきの時期は、8月下旬~ 9月上旬になります。種まきの際は種が隠れるくらい薄く土をかぶせ、乾燥させないように敷きワラなどをします。
発芽し始めたらすぐにワラを取り除き、発芽が揃うまで乾燥させないようにすることが大切です。
育苗期間が6 0日以上になると大苗になって翌年に「ネギ坊主」になりやすくなるので、茎の太さが6mm程度、草丈が15~20cmくらいの苗になるように、種まきの時期や肥料を調節します。
定植の適温は平均気温で1 2 ℃の頃です。長野市の平年気温では1 0月下旬 ~ 1 1月上旬頃になります。定植が早すぎると大きくなり「ネギ坊主」になりやすく、遅すぎると寒さに対する抵抗力が低くなってしまいます。また、タマネギは酸性土壌に弱いので、苦土石灰などで酸度の矯正も有効です。
最後にホウレンソウについてお話します。ホウレンソウは年中栽培できますが、秋まきが一番つくりやすく、おいしいものができます。ただし、乾燥する場所や排水の悪いほ場での栽培は難しく、根も深くまで伸びるため、3 Ocm程度の深さまで耕すと良いでしよう。タマネギと同様に酸性の土壌に弱いため、苦土石灰などをあらかじめ施しておくとよいでしょう。
最後に、農薬の基礎知識です。農薬は使用目的や防除の対象によって種類が分類されています。農薬は、農薬取締法により使用方法が厳格に定められています。
家庭菜園では、害虫を防除するための「殺虫剤」、病気の原因となる菌を防除する「殺菌剤」などは使っている方も多いのではないでしょうか。
購入する際の注意するポイントとして、販売されている製品は、同じ名前でも、製剤方法で「水和剤・水溶剤」や「乳剤・フロアプル」、「粒剤」など様々な形態があります。例えば、ある作物に対して、同じ名前の農薬であっても剤型により、水和剤は使えるけれども、粒剤は使えないこともありますので、農薬名だけで判断しないよう注意しましょう。
また、農薬のラベルには使用基準が記載されていますので、ラベルに記載された使用方法、使用量、使用時期、使用回数を守って正しく使いましょう。
おわりに、農作業安全についてお話させていただきます。9月頃にもなると、
日が短くなり、夕方は薄暗くなることで事故につながることもあります。近年は9月もまだ暑く、夕方には疲れもピークにあると思いますので、より注意が必要です。
事故に注意しながら、美味しい野菜等を収穫し、楽しい菜園にしましょう。