取材ノート
「今月の健康」
~ 高血圧とストレス
犀南保健センター
今月のテーマは『高血圧とストレス』です
皆様からお話を伺う中で、「病院だとドキドキして血圧が上がる」、
「血圧が高いのはストレスが原因だと思う」という声をよく聞きます。
そこで今日は1.血圧とは何か、2.ストレスがかかると体で何が起きるのか、3.頑張り過ぎないコツについてお話します。
1.まず、血圧とは何かお話します。
血圧は、頭から指先まで、体の隅々まで血液を届けるための原動力です。
心臓と血管が血液を届ける仕事をしています。まず、心臓がポンプのように動き、血液を送り出します。1回60㏄、1分間で5リットルもの量を送り出しています。そして、血管が伸び縮みし、酸素や栄養を届けながら全身を回ります。全身の細胞から二酸化炭素や老廃物を回収して戻ってきます。
この働きが24時間、寝ている時も絶えず行われることで、全身の細胞が生き続けることができます。
血圧を上げる、下げるという判断は、脳からの司令が自律神経に伝わり、自分の意思とは関係なく行われます。自律神経とは、呼吸や心拍など、命を守るために必要な機能を、自動的に調節してくれるシステムです。
2.次に、ストレスがかかると体で何が起きるのかお話しします。
ストレスとは、外部から刺激を受けたときに起こる体の反応です。退職・家族との別れ・事故など大きな出来事の他にも、緊張・痛み・寒暖差といった日常的な出来事もストレスの原因となります。
ストレスがかかった時、脳が「ストレスに立ち向かうぞ」、「逃げなきゃ」と認識します。闘う、逃げるためには、筋肉に血液を集め、すぐに動かせる状態にしておくことが必要です。そこで自律神経に司令を出し、心臓をドキドキと早く動かし、血管をぎゅっと縮めて血液をたくさん送ろうとします。その結果血圧が上がります。
必要な場所に血液を送るために、一時的に血圧を上げることは、体を守るために必要な働きです。ただ、長くストレスがかかり、心臓と血管が頑張り過ぎると、血圧が高い状態が長く続きます。そして、大切な臓器である、脳・心臓・腎臓を傷めてしまいます。
心臓と血管が頑張り過ぎていないか、チェックする方法は2つあります。
1つ目は自分でもできる、血圧測定です。「家で測る血圧が135/85以上ある」、「安静にしている時の脈拍が前より増えた」ということがあれば、頑張り過ぎているかもしれません。
2つ目は、健康診断です。長野市では、10月15日(水曜日)まで、40歳以上の国保特定健診、後期高齢者健診、30歳代の国保健診を実施しています。全身の血管の状態、心臓の様子が推測できる健診です。普段医療機関に通院している方もぜひご活用ください。
3.最後に心臓と血管が頑張り過ぎないコツについてお話しします。
自分の意思で心臓や血管を休ませることは難しいので、血圧を調節している自律神経を整え、血圧を高くしない工夫について2つご紹介します。
1つ目は深呼吸です。しっかりと口から息を吐ききることがポイントです。
副交感神経の働きが高まり、リラックスしやすくなります。
2つ目は、生活リズムを整えることです。具体的には、起きる時間、食べる時間、寝る時間をなるべく同じ時間にすることで、自律神経が整いやすくなります。
他にもストレッチ、ウォーキングなどのゆるい運動、38~40℃のぬるめのお湯に15分程度浸かる、アロマセラピーなど、様々な方法があります。自分なりのリフレッシュ方法を見つけてみてください。自分でできることをやってみても血圧の高さが続く場合は、かかりつけ医にご相談ください。