信州花暦 ( 桜・卒業記念樹 )
園芸研究家 矢澤秀成さん
桜・卒業記念樹
桜・卒業記念樹 2020.2月放送
3月に入り次第に紫外線が強くなってくると、虫や植物も活動を開始
します。
苗を植え付ける準備として、今のうちに畑や花壇をよく耕して、肥料を
入れて良い土を作っておきましょう。
この冬は暖冬だったので、桜の開花予想も全国的に平年よりも10日前後
早くなっているようです。
長野も4月に入ると間もなく開花するのではないでしょうか?
しかし、九州や沖縄地方の開花は平年より少し遅れそうです。
『暖冬だったのに何故?』
と思われる方もいらっしゃると思いますが、桜が開花するためには
ある程度の寒さに当たる必要があります。一度寒さにさらされた後で
暖かくなってくると『休眠打破』して開花に至るのですが、ある程度の
寒さにさらされることなく気温が上昇してしまうと開花してもパラパラと
咲く程度になってしまうようです。
3月は卒業式シーズンです。
矢澤さんもこれまでに色々な卒業を経験されたそうですが、一番印象に
残っている『卒業』というと・・・
教え子の卒業だそうです。
高知県で『卒業式に世界に1つだけの花を咲かせよう』と一人一鉢の
花を秋から大切に育て、『世界に1つだけの花』たちが教え子たちの卒業式
に彩を添えた・・・ということです。
入学の記念に樹を植えるのも良いのですが、是非、卒業の記念に自分の
『印』として『記念樹』を植えて欲しいと思います
卒業の時に植えた樹が毎年大きくなり、やがて実家を離れて帰省した
時に大きく育った樹を見たり、将来結婚し家族ができた時に
『これは自分が卒業した時に植えた樹なんだよ!』と色んな思い出を語る
こともできます。
入学記念樹だけではなく、『卒業』は新たのスタートでもあるので
是非、卒業記念樹を植えてみてください。
矢澤 秀成さんからのメッセージ
暖冬とはいえ、自然には必ず帳尻合わせがあります。
『暖かいな』と思っていると突然寒さがやってくる時もあります。
御自身の健康管理や植物の管理にも気を付けてくださいね。
紫外線も強くなり、花粉が飛ぶ季節でもあります。
戸外に出る時には帽子やマスクを身に着けて出かけましょう。