取材ノート
「今月の健康」
~アルコール~
犀南保健センター
寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?今月のテーマは
『お酒との付き合い方』です。
これから年末・年始にかけてお酒を飲む機会が増えてくるかと思います。
また、新型コロナウィルスの影響による生活の変化で、自宅で過ごす時間が多くなり、飲酒の機会が増えたという方も多いのではないでしょうか。楽しく、健康的にお酒と付き合っていくために、いま一度ご自身のお酒の飲み方を振り返ってみましょう。
はじめに、お酒を飲むことによる体への影響です。適量の飲酒は、リラックス効果をもたらし、血液の流れを良くして、動脈硬化を防ぎます。しかし、アルコールにより食欲が増すため、食べ過ぎてしまう傾向になります。おつまみに高カロリーのものが多いと肥満につながります。また、毎日適量を超えて飲んでいると、肝臓では中性脂肪がたくさん作られるため、内臓脂肪がたまりやすくなり、メタボリックシンドロームの原因にもなります。さらに過度な飲酒を継続してしまうと、肝臓の障害をはじめとする様々な病気の原因になったり、お酒を自分でコントロールできなくなる『アルコール依存症』となることがあります。
ストレス解消や、寝つきをよくするためにお酒を飲むという方もいるかもしれません。しかし、お酒を飲んでいる間は気持ちが明るくなったように感じても、お酒が抜けると以前より深く考え込み、ストレスを感じてしまう場合があります。また、寝酒をすると眠りにつくまでの時間は短くなりますが、深い眠りが減り、睡眠の質を悪くする原因になります。
お酒と上手に付き合える、お酒の適量とはどれぐらいなのでしょうか。1日あたりの適量は、純アルコール量で男性20g程度、女性10g程度です。純アルコール量20gの目安は、ビールやチューハイなどのアルコール度数5度のものなら500ml、日本酒なら1合、ワインなら180ml、焼酎はアルコール度数25度のものなら100ml、ウイスキーだと60mlが適量です。高齢の方、飲んですぐ顔が赤くなる方はこれよりも少ない量となります。また、最近売られている缶チューハイの中には、アルコール度数が7%・9%などと高いものがありますが、その場合は少なくなりますので、購入の際はアルコール度数の表示を確認するようにしましょう。
お酒を飲み過ぎないようにするにはどうすればよいでしょうか。今日からでもできそうなことを4つ挙げてみました。
1つ目は『1回に飲む分だけを買う』です。お酒を買い置きしていると、ついついあるだけ飲んでしまいがちなので、飲む分だけを買う習慣をつけましょう。
2つ目は『飲み終える時間を早める』です。時間を決めて、だらだら飲まないようにしましょう。
3つ目は『空腹では飲まない』です。食べながら飲むことで、飲酒のペースがゆっくりになり、血液中のアルコール濃度の急上昇を防ぎます。
4つ目は『休肝日をつくる』です。適量とはいえ、毎日お酒を飲むことは肝臓に負担をかけてしまうので、週に2日は肝臓を休ませてあげることが大切です。自分にできそうなことから実行してみましょう。
お酒は、間違った飲み方をしてしまうと、自分の健康だけでなく、飲酒運転や暴力・虐待・自殺・未成年者の飲酒など社会的な問題にもつながることがあります。
これからずっとお酒を楽しむためにも、お酒と上手に付き合っていきましょう。
長野市保健所や保険センターでは、アルコール問題でお困りの方やそのご家族の相談に応じていますので、お気軽にご相談ください。