信州花暦 ( クロッカス・クリスマスローズ )
園芸研究家 矢澤秀成さん
クロッカス・クリスマスローズ
2021.3月放送
クロッカス・クリスマスローズ
花木の新芽も少しずつ膨らみ始め、何だか気持ちがウキウキする季節になりました。コロナ渦ではありますが、道端にタンポポや小さな花を見つけると心が温かくなりますね。
《 クロッカス 》
3月になると色々な小球根の花が咲き始めます。代表的なものにクロッカスがあります。
クロッカスの球根の植え付けのポイントとして、インターネットなどで
『浅植えにする』という情報もありますが、これは間違いです。クロッカスの球根は球根3つ分位の深さに植えるのが正解です。
何故なら、クロッカスの次の球根(来年咲く球根)は今植えてある球根の上にできるからです。浅植えにしてしまうと、次の球根が地面から飛び出してしまうこともあります。
このように、インターネットの情報を全て鵜呑みにするのではなく、ご自身で実際に植え付けて育ててみて、それぞれの植物の個性を見抜いて他の人に伝えていくのもまた楽しいですね。
同じ小球根でも、ムスカリは住んでいる土地の気候によって植え方が異なります。関東地方は浅植えでかまいませんが、信州のように冬霜がおりるような場所では深植えにする必要があります。
霜が降りると霜上がりといって、球根が地面の上に押し上げられてしまいます。信州では球根2~3個分の深植えにする必要があります。
《 クリスマスローズ 》
3月上旬から信州でもクリスマスローズが咲き始めました。
庭に植えてあるクリスマスローズは、寒さに当たるので葉っぱがとても力強く、大きな花をつけます。そして深みのある綺麗な色が出やすいのです。
クリスマスローズには1つとして同じものがありません。すべてがオリジナルです。毎年、新品種もたくさん出てきます。お気に入りのものを見つけて庭に植え付けて、大きく育てて綺麗な花をたくさん咲かせましょう。
クリスマスローズを育てるポイントとして、植え付けは3月下旬までに済ませましょう。植え付ける場所は落葉樹の下が最適です。夏は休眠するので、涼しい木陰で休ませ、秋になり落葉樹の葉が落ちて陽が当たりはじめると春に花を咲かせる準備がはじまります。
《 苗選びのポイント 》
この時期になると園芸店にも色々な花の苗が並びはじめます。
3月に苗を選ぶポイントとしては、その植物が寒さに強いか弱いかで選ぶと良いでしょう。
4月の八重桜が咲く頃になれば、遅霜の心配もなくなるので、寒さに弱い植物を選んでも大丈夫です。
矢澤 秀成さんからのメッセージ
3月は花や野菜を植えるための土づくりをしたり、ハウスで種を蒔いて苗を育てる季節でもあります。
3月が園芸のスタートの時期です。良い土を作って苗を植え付ける準備を整えておきましょう。