取材ノート
「今月の健康」
~ 夏バテ予防 ~
犀南保健センター
8月に入り何となく体がだるい、疲れが取れないといった状態が続くことがあります。『夏バテ』の原因は体温・食事・睡眠の3つにあります。体温の調整、食欲、睡眠は体を正しく働かせるための基本ですが、脳の自律神経がこれら3つをコントロールしています。自律神経には交感神経と副交感神経と2つあり、お互いが相反するように体の中で働いています。
暑いと交感神経が働き、汗をかいて体温を下げようとしますが、胃腸の働きを止めたり、気持ちがイライラしたり、眠れなくなるなどの状態になります。逆に汗をかかないように環境を涼しくして体温を下げると、副交感神経が働きリラックスして食欲が出る、良く眠れるようになります。『夏バテ』を予防するには、この体温・食事・睡眠の3つのポイントを意識して過ごしてみましょう。
1つ目は体温調整です。日本は特有の高温多湿のためうまく汗をかけなかったりします。また外の気温とエアコンの効いた部屋の中との温度差により、体温を調整する機能が働きづらくなったりすることがあります。エアコンの温度設定は外の気温との温度差を5℃以内に調節しながら使っていきましょう。
外出先では逆に冷房が効きすぎることもあります。上着をはおる、ひざかけを持っていくなど体を冷やし過ぎないよう工夫してみましょう。体が冷えすぎたように感じた時は、お風呂もシャワーだけで済まさず、ぬるめの湯舟につかると血行も良くなり、疲れもとれやくすなります。
2つ目は食事です。暑いと冷たい食べ物や飲み物になりがちですが、お腹が冷え、胃腸の働きが悪くなり、食欲も落ちてしまいます。冷たい麺類を食べる時にはお茶は温かくするなど、温かいものが1品あるだけでもお腹を冷やし過ぎないコツになります。また、食事の時に水分をたくさん摂ると胃液などの消化酵素を薄めて消化する力が落ちてしまいます。消化を助けるため、良く噛んでゆっくり食べるようにしましょう。
食欲が出ない時は食事の前に部屋のエアコンの温度を1~2℃ほど下げてみると食欲が出やすくなります。食事が終わったら、エアコンの温度を戻しておくと体も冷えすぎないでしょう。
食材の選び方としては、まず、卵・肉・魚・牛乳などの乳製品や豆腐・枝豆などの大豆製品などのいずれかを毎食摂るようにしましょう。卵・肉・牛乳などの食材は主に『たんぱく質』と言われ、筋肉や血液などを作る材料になります。貧血予防になる鉄分、体調を整えるビタミンなども含まれています。
たんぱく質と一緒に野菜も摂るようにしてみましょう。いまの時期に採れる夏野菜は色の濃い野菜が多いです。色を濃くして太陽の光から自分の体を守っているのですが、その成分のビタミン・ミネラルは私たちの体の中でも疲れがたまらないよう代謝を高めたり、血管の内側を修復して血管を守る役目もあります。ビタミンやミネラルは汗と一緒に体の外へ出ていってしまうので、毎食少しずつでも良いので食べていきたいところです。
3つ目は睡眠です。暑くて眠りの浅い寝苦しい夜が続くと、脳が休むことが出来ず、睡眠で疲労を回復することができなくなります。食事の時と同じように寝る前に部屋の温度を少し下げたり、冷却剤を枕に置いて冷やしておくと眠りやすくなります。
部屋の明かりは極力暗くすると眠りも深くなり、深くなったタイミングで成長ホルモンがより多く出て、傷ついた細胞の修復をしてくれます。睡眠不足で朝起きる時間がずれやすくなりますが、できるだけ同じような時間に起きるようにすると、体内時計も乱れず、胃腸もスムーズに働いてくれます。昼間に眠気を感じる時は、10分から15分程度の昼寝をとるのも良いでしょう。生活リズムを整えるよう、毎日同じ時間に食事をすると、自律神経もうまく働いてくれます。
体温・食事・睡眠の3つのポイントを意識しながら『夏バテ』を予防していきたいですね。
今年も7月から特定健診が始まっています。特定健診・後期高齢者・30歳代の国保健診の方は11月13日まで受けることができます。詳しくは広報ながの5月号と一緒に配布された『各種健診のご案内』をご覧下さい。自分の体の状態を確認するため受診券が届いている方は受診しましょう。