取材ノート
「JAアワーより」
~乾燥肌に負けない健やかな肌づくり~
JAグリーン長野 生活課 大日方瑞穂さん
9月に入り、夏の暑さも少しずつ和らいできて、朝晩は過ごしやすくなってきました。これからは秋の季節ですね。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
今月のJAアワーは『乾燥肌に負けない健やかな肌づくり』をテーマにお話しします。
これから肌寒くなってくると、お肌の乾燥が気になりませんか?乾燥肌を改善したいと考えた時、化粧水やクリームによって外側から潤いを与えるケアを集中的に取り組む人が多いのではないでしょうか。しかし、実は内側から水分を与えることも重要で、さらには与えられた水分を肌内部にキープできるよう、肌そのものも整えておく必要があります。今回は、肌を内側と外側から潤し、肌そのものも健やかに整える方法についてお話します。
人間の体は体重の約65%を水分が占めており、このうち約15%は肌に蓄えられています。肌は一番外側から『表皮』『真皮』『皮下組織』の3層構造になっていますが、それぞれの層に十分な水分が蓄えられていることで、良好な状態が保たれているのです。この時、特に重要な役割を担っているのが表皮のもっとも外側にある『角質層』です。角質層がバリアとなることで、肌内部からの水分蒸発を防ぐとともに、細菌や花粉といった外部刺激から肌を守る役割を果たしています。こうした働きは肌の『バリア機能』と呼ばれ、このバリア機能が整っていることで、肌はみずみずしく潤い、ハリや弾力のある状態が保たれます。
肌を健康な状態に保つには、バリア機能がしっかり働き、肌内部に十分な量の水分が蓄えられていることが大切です。ところが、何らかの原因でバリア機能が低下すると、肌内部に水分を保持することができなくなり、肌が乾燥してしまいます。こうした状態は『乾燥肌』と呼ばれますが、肌が乾燥した状態では、カサカサとした手触りになり、肌が特に薄い目元や口元はシワっぽくなります。さらに乾燥が進行すると、白く粉を拭いた状態になり、ヒリヒリとした感覚やかゆみ、赤みなどを生じることもあるようです。
乾燥肌の原因は様々ですが、主に考えられる原因として、間違ったスキンケアや睡眠不足、ストレスによる自律神経の乱れや栄養不足が原因として挙げられます。また、年齢を重ねることによってバリア機能に必要な成分の分泌が減少し、乾燥しやすくなってしまうことも考えられています。
乾燥肌は様々な原因によって引き起こされます。こうした乾燥肌の予防・改善には、まず日々の正しいスキンケアによって肌の外から水分を与えるとともに、内側からも水分補給を行い、さらに与えられた潤いをキープできるよう、肌の健康を維持することが重要です。続いて、具体的な対策についてお話します。
まず外側から潤すために、毎日のスキンケアは保湿力の高いアイテムで丁寧に行うことが大切です。顔を洗うときは、洗顔料をしっかりと泡立てて、肌を手でこすらないよう優しく洗浄してください。洗顔後優しく水分を拭き取ったら、化粧水や美容液で肌を保湿しましょう。化粧水や美容液で肌に潤いを与えた後は、仕上げに乳液やクリームなどで潤いをしっかりキープするのもポイントです。
次に内側からの予防として、こまめな水分摂取が大切です。ポイントはのどが渇く前に摂取することです。のどが渇きを覚えるころには、体はすでに水分不足に陥っているため、肌の潤いも失われつつあります。少量ずつこまめに水分を取りましょう。しかし、コーヒーや紅茶などのカフェインを含んだ飲み物は利尿作用があり、かえって体内から水分の排出を促してしまいます。水や麦茶、ビタミンを含むフレッシュジュースなどがおすすめです。
肌の内側と外側からたっぷり水分を与えても、肌そのものの状態が悪ければ、潤いをキープすることはできません。肌の健康を保つには、睡眠不足とすトレスを解消することが大切です。規則正しい生活をこころがけ、適度な運動や趣味を楽しむことで、健やかな体と心を維持しましょう。
また、栄養補給によって健康な肌づくりを促すことも重要です。肌の原料となるたんぱく質をはじめ、肌の新陳代謝を促し健やかな肌へと導くビタミンB2やB6、ビタミンAやCを積極的にとりましょう。たんぱく質は肉、魚、大豆など、ビタミン類はにんじんや小松菜などの緑黄色野菜、ビタミンCはキウイやイチゴなどのフルーツに豊富に含まれます。さらに、肌の潤いを保つには、肌の表面を皮脂でガードすることも大切です。皮脂のもととなる必須脂肪酸を含む亜麻仁油やえごま油など、良質な油を適度に摂取しましょう。
乾燥肌を改善するには、肌の表面はもちろん、肌の内部にも十分な水分を与えることが大切です。さらに肌そのものもバリア機能の整った健やかな状態でなければ、せっかく与えた水分もキープできませんので、効果的に乾燥肌対策をしましょう。