JAグリーン長野 生活福祉課 倉島優香さん
「暑いな」と感じることが多くなってきました。
今月のテーマは「高野豆腐で体の中から健康に」です。
「畑の肉」といわれる大豆を使った栄養豊富な高野豆腐。ヘルシーで食べ応えもあり、よく料理するという方も多いのではないでしょうか。近年、糖質オフメニューにも活用されるなど、何かと脚光を浴びている高野豆腐。今一度、その高野豆腐の魅力を再確認してみましょう。
はじめに、高野豆腐は、豆腐を凍らせ、乾燥させてつくる保存食品です。「高野」の名の由来は、高野山から来ているといわれており、和歌山県の高野山の僧によって創始され、訪れる参拝者の宿泊施設で提供されていたとも伝えらえています。
現在市販されているものは、多くの場合、工場で生産されていますが、従来は寒い時期に屋外で天然冷凍させてつくられていました。現在も室内で凍結させ、さらに氷点下付近で1カ月ほど保存することで、屋外で起きるのと同じように大豆たんぱく質を変形させてつくることもあるようです。その後、解凍し、脱水、乾燥させて製品としたものが高野豆腐です。
この高野豆腐。栄養の観点からみるといくつかの特徴があります。
1つめは大豆たんぱく質が豊富で身体づくりに役立つことです。
タンパク質は筋肉などの身体をつくる栄養素。高野豆腐は大豆たんぱく質が豊富で、さらに乾燥食品のため栄養が凝縮されているのでおすすめの食べ物です。
2つめは大豆イソフラボンで更年期障害の症状が軽減されることです。高野豆腐に含まれる大豆イソフラボンは抗酸化物質で、女性ホルモンと似た働きをし、更年期障害の症状軽減、生理不順の緩和をはかります。
3つめは大豆イソフラボンとカルシュウムによる骨粗しょう症予防になることです。主に骨密度が低下する骨粗しょう症にも深く関与しているのが女性ホルモンのエストロゲンです。骨粗しょう症の原因は、更年期以降のエストロゲンの減少にもあるといわれています。高野豆腐はエストロゲンのように働き大豆イソフラボンのほか、カルシュウムも含むため、骨粗しょう症予防効果が期待できます。
また、高野豆腐にはその特性を利用した調理方法もあります。
それは、乳酸菌を使って高野豆腐を戻すスピードを速めることです。
乾燥した高野豆腐は分子が大きくて水分が吸収されにくいため、調理前に戻したいときに時間がかかります。その分子を切るのに必要になるのが乳酸菌。例えば、ヨーグルトに乾燥した高野豆腐をしたしておくと水よりも早く戻ります。
高野豆腐はダイエットにも効果的で1枚でも満腹感が得られます。高野豆腐は低糖質で、乾燥状態の高野豆腐100g中、糖質はわずかに3.9g。白米は100g中の糖質量が76.6gなので、なんと糖質量が白米のおよそ1/20しかありません。しかも水分を含むと重量が増すため、同じ重さあたりの糖質量はさらに減ることになります。糖質たっぷりのパンやごはん、麺類など炭水化物の量を減らし、高野豆腐でお腹を満たす。そしていつもの具材を高野豆腐に置き換える。それだけで糖質を大幅にカットすることができるのです。
また、乾燥した高野豆腐を水に戻すと、6倍もの重さになることから、かさ増しできる食材。また高野豆腐は歯ごたえがあるので、自然と噛む回数が増え、満腹中枢も刺激されるため、食べすぎを防げます。高野豆腐に含まれる不要性食物繊維は名前の通り水に溶けにくい食物繊維で、逆に水分を吸収する特徴があります。胃に届くと、胃の中で水分を吸収し膨らむため、少し食べるだけで満腹感が得られます。そして、食物繊維は消化に時間がかかるため、それだけ空腹感を感じにくく、腹もちも良くなります。
低糖質で、満腹感が得られて、腹もちもいい。高野豆腐はまさにダイエットに適した食べ物なのです。
いかがでしたか?高野豆腐には様々な特徴があることが分かりましたね。皆さんも高野豆腐をたべて健康になりましょう。