取材ノート
「JAアワーより」
~持ち方を変えるだけで、
持ち運びがラクに!~
JAグリーン長野 生活課 大日方瑞穂さん
2月に入ってもまだまだ厳しい寒さが続きますが、元気にお過ごしでしょうか?
さて、今月のJAアワーは、『持ち方を変えるだけで、持ち運びがラクに!』をテーマにお話しします。
箱いっぱいに荷物の詰まった段ボールや、たくさん買い物をした時の買い物袋を持ち歩くのがしんどくて、腰や腕を痛めたことはありませんか?持ち運ぶのものによって持ち方のポイントがあり、ポイントを意識して持ち運び方を変えると、ぐんとラクになりますので、今回は持ち運び術をお伝えします。
まず、重い荷物を持ち運びするときのポイントは、『重さを支える面積を
増やす』ことです。支える面積が大きいほど、重さが分散されてラクになります。例えば、段ボール箱を持ち運ぶときは、『体にしっかり付ける』ことが大切です。胸や腹でも重さを支えることで、腕だけよりもずっとラクに持ち運びできます。その際に持つ場所は、一方の手は段ボール箱の下の部分を、もう一方の手は段ボール箱の上の部分を持つと、しっかりと体に押し付けることができます。また、脇をしっかりと締めることで、腕の負担が減ります。
次に段ボール箱を重ねて運ぶときは、重い方を上にして運びましょう。人の重心はみぞおち付近にあり、荷物を持つときは、そこに近づけるほど重さを感じにくくなります。重い段ボール箱を上にすると、ちょうどみぞおち付近に荷物の重心が来るので、同じ重さでもより軽く感じます。逆に重い段ボール箱を下にすると、持った時に腰のあたりに重心がかかり、重く感じやすくなります。この運び方をする際も、脇をしっかり締めて運ぶとラクになりますよ。
お買い物に行ったときの買い物袋を皆さんはどのように持ちますか?買い物袋を肩に掛けたり、肘を曲げて持つと肩や腕に重みがかかり、すぐに疲れてしまいます。袋を持ち運びするときは、脇をしめて、肘を伸ばしましょう。そうすると肩を支点にして、重みを背中の筋肉で支えられるようになるので、グンとラクになります。買い物袋は中指と薬指にしっかり掛けると、自然と腕の筋肉に力が入り、バランスが取れるので、歩いた時袋が動きづらくなります。他の指は補助的に使いましょう。なお、お店でもらうポリ袋は重みで伸びて指に食い込みやすいので、持ち手の幅が広いエコバックがオススメです。
野菜や農機具を入れたコンテナや洗濯ものの詰まったかごなどを持ち上げるときは、下半身をつかうようにするのがポイントです。かがんで持ち手を握ったあと、上半身を起こしながら腕の力で持ち上げようとすると、すぐに疲れますし、腰を痛めるリスクもあります。下半身の筋肉量は上半身よりも多く、発揮できる力も大きいので、持ち手を握ったら、上半身はそのままの姿勢を保ち、息を吐きつつ下半身の力で立ち上がってください。すると、コンテナやカゴが自然と持ち上がり、腰を痛めることもありません。
次に家具を動かす際のポイントです。重い家具を動かすのは一苦労ですし、フローリングの床を傷つけてしまったなんてことはありませんか?それを防ぐために、重い家具を動かす時はタオルを使いましょう。例えば、ソファーなら、片方を少しだけ持ち上げて、脚の下に畳んだタオルを敷きます。そして反対側を持ち上げると、タオルが床との摩擦を減らすので、簡単に動かせるようになります。他の家具にも応用できるので、ぜひ試してみてください。タオルは毛布やシーツなどで代用可能です。カーペットなどの上にある場合は、段ボール紙を使うのがオススメです。
二人で重い家具を移動させるときのポイントは、『対角線上に立つ』ことです。例えばテーブルの場合、対角線上に向かい合って立ち、それぞれが縁を持ちます。そして、体をテーブルに付けながら持ち上げてください。対角線上に立つのは、平行に向かい合った状態よりも、バランスがとりやすいためです。このやり方なら、女性同士でもかなりの重さの家具を移動できます。
他にも、持つときに滑り止めがついた軍手やゴム手袋を使うと、重さを支えやすくなり、よりラクに感じられます。
今までの持ち方を少し変えるだけで、ラクに運ぶことができ、体を痛めることなく、お部屋の片づけや模様替えができるようになりますよ。ただ一人で無理はせず、力に自信がない場合は、周りの人の手を借りて、重いものを持つようにしましょう。