取材ノート
「JAアワーより」
~健康に歩けるために、足爪美人を目指そう~
JAグリーン長野 生活課 大日方瑞穂さん
9月になり、夏の暑さも少しずつ和らいできて、朝晩は過ごしやすくなってきました。みなさん元気にお過ごしでしょうか。
さて、今月のJAアワーは『健康に歩くために、足爪美人を目指そう』をテーマにお話します。
新型コロナウィルス感染症拡大防止のために外出を控え、おうち時間が増えていますが、皆さんは適度に運動をしていますか?運動不足による筋力の低下や、体重の増加によって、足の爪や指に大きな負担がかかり、爪や指の変形や痛みなど、思わぬトラブルに発展する恐れがあります。いつまでも自分の足で健康に歩ける足づくりのために、正しい爪のケアを行っていきましょう。
始めに自分の足の爪を見てみてください。爪が皮膚に食い込んでいる、爪が厚くなってきた、爪に割れや欠けているところがあるなど、爪に異常はありませんか。
爪が皮膚に食い込んでいる方は爪を正しく切れていないかもしれません。爪の左右両端が丸くなる『巻き爪』や、爪の角が皮膚に食い込む『陥入爪』の主な原因は合わない靴による圧迫や、間違った爪の切り方などによるものです。間違った爪の切り方として、先端や両端の角を深く切りすぎる深爪と、爪の両端の角を斜めに切るバイアスカットがあります。深爪は、爪が皮膚に埋もれ、足先にかかる圧力で爪が変形したり、炎症が起こったりする恐れがあります。またバイアスカットすると、爪の性質上内側に巻くようになり、巻き爪になるリスクが高まります。足の爪はスクエアカットで切るのが鉄則です。爪が指先を覆うように切るため、爪の端が皮膚に当ったり食い込んだりしません。また、爪が体重をしっかりと支え、楽に歩けるようになります。スクエアカットのやり方は、足指の先端と同じ程度の長さにまっすぐ切ります。そして両端の角を少し切り丸みを持たせましょう。上手に切るコツは、端から少しずつ切ること、直線刃の爪切りがオススメです。
また爪を切った後は、やすりをかけて断面を滑らかに整えましょう。やすりをかける際は常に一方向に、爪を軽くなでるようにしましょう。往復させると断面の繊維に負担がかかってヒビが入りやすくなります。やすりのかけ方は、やすりの腹を爪の断面に当てながら、端から中央へ一方向に動かします。左から中央へ、右から中央へ、それぞれ2・3回を目安にやすりをかけましょう。またやすりの腹を爪の先端に当て、下にこするイメージで一方向に2・3回動かしましょう。切り口が丸みを帯びて断面が滑らかになれば完了です。
次に、爪が厚くなってきたなと感じる方は、足を清潔に保つ洗い方をしましょう。足指や爪まわりは汚れや角質がたまりやすく、それらを洗って取り除かないと爪が厚くなり、白癬菌という菌の温床になる恐れがあります。足を清潔に保つ洗い方は、石鹸をよく泡立て、両手で足全体を泡で包むようにやさしく洗います。足の指の間は、手の指を差し込んで1本ずつ洗います。指と爪の間は、爪の両端と生え際に歯ブラシを当て、細かく動かしながらやさしく洗います。すべての爪まわりを洗い終えたら、石鹸を洗い流します。最後に柔らかい素材のタオルで足全体を包み、上から手で軽く押さえて水分をよく拭き取りましょう。ふき取りが甘いと、角質がふやけて皮膚のバリアー機能が低下するほか、残った水滴が雑菌の温床になるので、しっかりと拭き取りましょう。
次に爪が割れていたり、欠けている方はいますか。爪の先端の表面がむけたり、割れて欠けたりする『二枚爪』や『割れ爪』の主な原因は乾燥です。なかでもお風呂上りは一時的に皮膚が乾燥しやすい状態なので、保湿効果のあるクリームやワセリンなどでマッサージをしながら保湿しましょう。保湿の手順は、手に保湿剤をたっぷり取り、皮膚の横じわに沿って優しくすり込むように足全体に塗ります。指1本ずつに付け根から爪先へ円を描くように塗り広げましょう。これはコリや疲れの解消にも効果的です。爪まわりはささくれやすいので、保湿剤を重ねて塗り、爪の先端脇から生え際に向かって伸ばしましょう。さらに靴下を履くと冷えや乾燥を防いで、保湿剤が皮膚に浸透するのを促しますので、より効果的です。
最後に、足をほぐす簡単なストレッチをご紹介します。小指の爪がつぶれて小さくなったり、親指側に曲がったりする主な原因は、合わない靴による外圧や運動不足による筋力の低下に伴う無理な体重のかかり方によるものです。小指は骨の強度が弱いので、痛みの有無にかかわらず、骨の変形は日々進行します。足回りの関節と筋肉をほぐし、筋力をつけて正常な状態に近づけましょう。
まず、足首のストレッチです。椅子に座り、右足の足首を左足の太ももに乗せます。右手でくるぶしの内側を押さえながら、左手で足の甲を掴んで手前に引き、甲を伸ばしてそのままの状態を1分間保ちます。左手でかかとを持ち、右手で足先をそらせるようにして、そのままの状態を1分間保ちます。足首の力を抜き、左手の指を右足の指に挟んで足首を大きく2・3回回し終了です。反対の足も同様に行ってください。活動の始まる朝方や血流が良くなっている入浴中、お風呂上りに行うと効果的です。
次に先ほどのストレッチと同じ体勢で椅子に座り、片足ずつ両手で足の甲をねじります。足の甲の関節のねじれを改善します。甲の関節がねじれると、外反母趾や巻き爪、捻挫を引き起こしやすくなりますので、欠かさずストレッチを行いましょう。
定期的に爪をケアすることで、いつまでも健康に歩ける足づくりにつながるので、ぜひみなさんも爪のケアを行ってみてください。