取材ノート
「JAアワーより」
~チマチマと断捨離をし、開放的な空間を~
JAグリーン長野 生活課 大日方瑞穂さん
今月のJAアワーは『チマチマと断捨離をし、開放的な空間を』をテーマにお話します。
断捨離とは、不要な物を断ち切り、物への執着心をなくすことで、身軽で快適な生活や人生を手に入れようとする考え方のことです。
断捨離のそれぞれの文字には、断業(だんぎょう)、捨行(しゃぎょう)、離行(りぎょう)の意味があります。断行は、入ってくる不要な物を断つ、捨行は、家にずっとある不要な物を捨てる、離行は、物への執着心をなくすというそれぞれ意味があります。
断捨離は、単なる片付け論と認識している方も多いと思いますが、ヨガの思想が元になっているため、片付けとは異なるものとされています。
つまり、断捨離は単なる片付けではなく、物を捨てることにより執着心をなくし、身軽で快適な生活や人生を手に入れようとする思想なのです。今回は断捨離のメリットややり方、断捨離した後に維持する方法をご紹介していきます。
最初に断捨離をすることによって、どのようなメリットがあると思いますか。
まず1つ目に、節約効果があるということです。断捨離で家の中の物を整理整頓すると、無駄なものを購入することがなくなり、お金が貯まりやすくなります。例えば、クローゼットの中の洋服を目いっぱいに収納していると、自分がどのような服を持っているのか忘れてしまい、同じような服をまた買ってしまうことになりがちです。断捨離で必要な服だけがある状態にしておけばそのような無駄な出費を防止できます。日用品などの収納スペースも、断捨離によって在庫の量が一目で分かるようにしておくと、足りない分だけを買い足せるようになり無駄な出費を防げます。
2つ目のメリットとして、時間に余裕ができます。断捨離を行うと、物の位置を把握しやすくなるため、探し物をする時間を減らすことができ、時間に余裕を持つことができます。いつも置いてあるはずの場所に車のカギやリモコンがなく、探すのに苦労した経験がある方は多いのではないでしょうか。特に急いでいる時は、イライラしてしまい。気持ちの面でもマイナスになってしまいます。断捨離を行えば、すぐに物を見つけやすくなるため、時間や心にも余裕が生まれます。
3つ目のメリットは、部屋も気持ちもスッキリすることです。部屋に物が多いと、視界から入る情報が多くなり、それだけでストレスを感じてしまいがちです。また、心のどこかで常に『片付けなければいけない』と思ってしまうため、さらにストレスを誘発させてしまいます。断捨離を行えば、このようなストレスを軽減することができ、日々の暮らしの満足度も高めることができるでしょう。
断捨離のメリットが分かったところで、断捨離の具体的なやり方、手順をご紹介します。
まず、片付ける場所の物をすべて出し、『必要・不要・保留』の3つに分類しましょう。段ボールを3つ用意し、必要な物、不要な物、保留の物に分類します。残しておくか捨てるかで迷ったのであれば、保留にしておきましょう。
次に必要なものをどのくらい残すのかを決めます。決め方としては、生活に合わせて決めることがオススメです。例えば、服を洗濯する頻度が少ないという場合は、ある程度余裕をもって、服は残しておきましょう。減らしすぎてしまうと、着る服がなくなってしまい困ることになります。また、来客の人数や頻度によって食器を残す数も変わってくると思います。ご自身の生活に合わせて、減らし過ぎず増やし過ぎずを心がけてみてください。
必要な物の数を決めたら、次にジャンル分けをしましょう。ジャンル分けのやり方としては、使用頻度の高いものや低いものを分けることがオススメです。使用頻度の高いものは取りやすい位置に置き、使用頻度が低いものは奥の方に置いておくと良いでしょう。
手順の最後に、保留の箱に分けていたものは時間をおいて判断するようにしましょう。時間をおいてといっても見直す期日をしっかり決めておき、判断することがポイントです。目安としては1カ月前後で見直しましょう。
また、思い出が詰まっているものに関しては、『思い出ボックス』を作成しその中に保管しておくのも1つの方法です。思い出が詰まっているものは、無理に捨てるのではなく、苦しいときや上手くいかない時などに見返したりして元気を出すためにも、専用のボックスに保管しておくのが良いでしょう。
断捨離をした後に部屋を維持するコツを最後にご紹介します。
まず、断捨離した後に、新しいものを買ったのであれば、古いものをひとつ手放しましょう。処分する基準は、今の自分に必要なのかどうかです。高価だったブランド品や家具などは、もったいないという気持ちから、処分に踏み切れないという方もいるでしょう。物を大切にするという気持ちはもちろん大切です。そのような場合は、フリマアプリや買取業者を活用し、他の人に長く使ってもらうのも選択肢です。
断捨離をした後は、定期的に整理する日を設けましょう。1度の断捨離だと、まだまだ不要な物が残っているかもしれません。また、定期的に断捨離を行わないと、物がたまってしまい断捨離をした意味がなくなってしまいます。断捨離をする頻度は、半年に1度や1年に1度くらいがオススメです。または、毎週日曜日はクローゼットや冷蔵庫など、1つの場所を断捨離する日として決めるのもいいかもしれません。自分にあった断捨離をする日を決めていきましょう。
空いている時間を見つけて断捨離をし、開放的な空間を保ち、ゆとりある生活を送っていきましょう。