信州花暦
( 冬の植物の動き )
園芸研究家 矢澤秀成さん
冬の植物の動き
2023.1月放送
冬の植物の動き
寒い日が続いていますが皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
雪の下で、植物たちは寒さに縮こまってお休みしているように見えます。
桜や梅の剪定は12月中には終わらせるようにと言われています。同じ冬の間だったら1月~2月の間でも良いのではないかと思いますが、実はこんな寒い冬の間にも桜や梅の木は既に春に花を咲かせるための準備として、根から水を吸い上げているのです。ですから、1月~2月の間に剪定すると木を傷めてしまいます。
メイプルシロップも冬の間に木に傷をつけてシロップをとりますが、水分を十分に吸い上げているので、シロップが出やすいのです。
フキノトウやつくし等も、もう土の中で活動をはじめています。2月の下旬位からかわいらしい顔を出してくれるでしょう・・・。
冬の樹木の管理
この時期、植物たちは厳しい寒さにさらされると枯れてしまうこともあります。雪が積もっていたらそれが緩衝材となり、寒さから守ることができます。
雪が少なく、寒さから守れない場合には寒冷紗をかけるなどして守ってあげましょう。
雪中キャベツや雪中人参などは、雪の中に置いておくことでデンプンを蓄えてとても甘くなります。
落葉樹は秋になると葉を落としますが、葉を落としたことにより、その木の樹形が良くわかるようになります。遠くの山々が良く見えるようになるのも、葉っぱを落として向こう側が良く見えるようになるからですね。
冬の木々の風景を楽しむのも良いですね。
園芸作業
樹木が葉を落としたことにより、貝殻虫などの害虫を発見することができます。冬の間にスプレー剤などをかけておきましょう。
常緑樹は、雪がたくさん積もってしまうと枝が折れてしまうこともあります。雪が積もっていたら払い落としてあげましょう。
矢澤秀成さんからのメッセージ
まだまだ寒い日が続きますが、あと1か月程で春の気配がチラチラ見えるようになり、暖かくなってきます。
皆さんも風邪をひかないように気を付けてくださいね。