取材ノート
「今月の健康」
~ 腰痛予防(身体活動・運動)
犀南保健センター
暑い日が続いていましたが、朝夕に秋の気配を感じるようになりました。皆さま、お変わりなくお過ごしでしょうか。
今日は『腰痛予防』についてお話したいと思います。
腰痛の原因にはさまざまなものが考えられますが、日頃の姿勢や生活習慣が招く、筋疲労やからだのゆがみも大きく関係しています。長い時間同じ姿勢を続けていると、筋肉疲労を起こし、痛みを生じる場合があります。また、気がつけばいつも猫背になっている、座るときに足を組む、いつも片足に重心をかけて立っているといったクセによるからだのゆがみも、痛みを生じさせる原因の一つです。働く世代にとっては、環境と腰痛の関係も深く、いわゆる『腰痛持ち』が多い職種も存在しています。
今日は、生活習慣や仕事環境からくる筋肉の疲労で起こる腰痛、またその予防についてお話したいと思います。
まず、長い時間同じ姿勢をとり続けるリスクについてです。
私たちの身体は、身体を支える筋肉の力があってこそ、様々な姿勢を保つことができるのです。椅子に座る、立ち上がる、荷物を持ち上げるといった、普段何気なく行っている様々な動作は、筋肉の支えなしには維持できません。ところが、同じ姿勢を続けていると、同じ筋肉が緊張したままになるため、疲れや血行不良による腰痛が出やすくなります。同じ姿勢が続く場合は、こまめに休息をとり、ストレッチなどして、身体をほぐしましょう。
では、身体を歪ませる原因となる生活習慣にはどのようなものがあるのでしょうか。当てはまるものはないか、確認してみましょう。
では、身体を歪ませるNG習慣についてお話します。
1.椅子に座ったときに、つい足を組んでしまう
2.畳やじゅうたんの上など、床に座るときに、いつも決まった方向に横座りをする
3.立っているときに、重心を片足側にかける
4.鞄など、荷物を持つときに、いつも同じ側の肩にかける
5.スマホを見たり操作するときに、姿勢が前のめりになる
6.寝転んでテレビを見る
などです。どうですか、当てはまるものはありましたか。
『足を組む』『横座り』『片側重心』『荷物を持つ肩』などがいつも同じ側という人は多いと思います。癖のようなもので、反対にすると『何だか変な感じ』がするかもしれませんが、身体を歪ませないためには、同じ姿勢ばかりせずに、左右交互にするなどしてみましょう。
『スマホやパソコンの操作』などで前かがみになることは多いですね。首や頭が肩より前に出ると、背中に負担がかかり、肩が張ったり猫背になったりします。その状態が腰にも負担をかけてしまいます。肘がからだの真横よりも後ろにあると、良い姿勢になります。肘を引きながら作業してみてください。
『寝転んでテレビを見る』と首や腰に負担がかかります。テレビは座ってみる、時には立ったままテレビを見るのもおすすめです。
では、次に腰痛につながりやすい作業と予防についてです。
1.立ち作業が多い方は、長い時間立ったままの姿勢が続くことで、重たい上半身を下半身で支えることになり、腰に大きな負担がかかります。休憩時にストレッチやマッサージを行いましょう。また、腰痛を防ぐ立ち方のポイントは、あごを引き、お腹の力を引き締め、背筋を伸ばすことです。肩の力は抜いて、左右の高さをそろえましょう。重心は足の親指の付け根に置くと、バランスをとりやすくなります。前かがみや反らしすぎの姿勢は、背中や腰に負担をかけるのでNGです。
2.座り作業が多い方は、座っているときに腰への負担が大きくなります。特に、猫背や前かがみの姿勢だと、腰の筋肉や靭帯にかかるストレスが増し、痛みを感じる原因になります。デスクワークの人は、自分の身体にあった椅子を選び、正しい姿勢を保つことが大切です。また、長時間のドライブでも腰痛が発生しやすくなります。1~2時間に1回は休憩をとりましょう。
腰痛を防ぐ座り方は、イスに深く腰を掛け、背筋をまっすぐ伸ばします。腰と太もも、太ももと膝はほぼ直角を保ちます。椅子の高さは高すぎても低すぎても腰に良くありません。足の裏全体が床につくよう、高さを調節しましょう。
3.重い物を持ち上げる作業が多い方は、特に腰痛に気を付けたいものです。膝を曲げずに重たい荷物を持ち上げようとすると、腰に負担がかかって、いわゆる『ぎっくり腰』になることもあります。
どうしても重たい物を持ち上げる時には、必ず腰を下ろして膝をつき、荷物に身体を近づけてから全身の力を使って、ゆっくり真上に持ち上げるようにしましょう。
次に身体の歪みをリセットするエクササイズを紹介します。
慢性腰痛で医者から動いた方が良いと言われている方は無理のない範囲で行いましょう。
《 膝倒し、腰をひねるエクササイズ 》です。
まず、仰向け寝て、両膝を立てます。
次に、両手を真横に広げて、息を吐きながら両方の膝を合わせたままゆっくり右に倒します。少ししたら、息を吸いながら両膝を元に戻し、また息を吐きながら両方の膝をそろえて、ゆっくり左に倒します。これを左右2回ずつ行いましょう。
その他の日常生活の注意としては、肥満に気を付けましょう。体重の増加は腰の負担を増し、腰痛の原因となるので注意しましょう。
また無理のない適度な運動も行っていきましょう。
最後になりますが、犀南保健センターでの腰痛予防講座を紹介します。
日時:10月5日(木)13:30~15:00
会場:犀南保健センター
申込み:10月3日(火)までに 長野市保健所健康課
TEL:026-226-9961まで
また、11月1日(水)には運動相談があります。生活習慣病予防のための運動はどんなもの?や腰痛や膝痛があるので、そんな自分にあった運動ってどんなもの?など、一人一人の身体の調子に合わせた運動について一緒に考えます。
申込み:10月10日(火)~ 犀南保健センターまで
TEL:026-293-8080