信州花暦
( 夏の振り返り 植物編 )
園芸研究家 矢澤秀成さん
夏の振り返り 植物編
2023.10月放送
秋の訪れ
今年の夏は本当に暑かったですね。真夏が3カ月ぐらいあったのではないでしょうか。ところが、少し前まで半袖で過ごしていましたが、ここ数日は長袖を着ていても寒く感じる日があるほどに秋が足早に訪れています。
夏の振り返り
矢澤さんが手がけている新潟の植物園。新潟はこの夏、40日間雨が降らなかったそうで、懸命に水をあげても枯れてしまった樹木や植物が多かったそうです。
本来は夏の暑さに強いはずのマリーゴールドやジニア(百日草)も暑さに耐えきれず、早めに枯れてしまったものも多かったようです。
今年の紅葉は例年に比べると遅れているようです。そして、桜の葉やカツラの葉は9月上旬~下旬にかけて、紅葉することなく一気に落ちてしまいました。
リンゴの実などもこの暑さで落下してしまったものも多かったようです。
これらは、植物が自分自身を守るために葉や実を落とす現象で『生理落下』と言います。
『生理落下』を起こした桜の木も翌年にはしっかりと花を咲かせますが、よく観察すると例年より花の大きさが小さいようです。
今後も、また今年のような猛暑が訪れるかもしれません。夏に育てる花なども、品種改良が進むとともに、私たちも暑さに強い品種を選んでいくことになるでしょう。
園芸作業
いつもの年ですと彼岸花が咲く頃に、色々な植物の種まきをするのですが、今年は彼岸花の開花時期も少し遅れました。
この時期、パンジーやビオラも園芸店に入荷するのですが、こちらも少し遅れています。パンジーやビオラの苗を購入した方は、苗についている花を摘んで株をしっかり成長させるようにしましょう。
また、これから霜がおりる季節になります。ホームセンターの在庫があるうちに、霜よけ用の支柱や樹木をしばるひも等を購入して、急な霜や降雪に対応できるようにしましょう。
矢澤秀成さんからのメッセージ
霜に弱い植物を育てている方は、夜7時の天気予報をみて、翌朝霜がおりそうな時には、外に置いている植物を玄関の中に入れてあげましょう。
そして、翌朝、少し暖かくなってきたらまた午前中に外に出してあげましょう。