取材ノート
「JAアワーより」
~生活習慣を見直して、血管の若返りを~
JAグリーン長野 生活課 藤澤瑞穂さん
今月のJAアワーは『生活習慣を見直して、血管の若返りを』をテーマにお話します
加齢とともに、血管は老化していきます。老化が進んだその先に、命に関わる病気を発症することもあります。手遅れになる前に、血管のアンチエイジングに取り組みましょう。食生活や生活習慣を見直すだけで、血管はピチピチに若返ります。
まずは、今の自分自身の生活習慣から、血管の老化の進行具合を診断してみましょう。血管の老化が進むと、心筋梗塞や脳梗塞などの『血管事故』のリスクが高まります。次の12項目であてはまるものがいくつあるか数えてみてください。
1.朝食を食べないことがある
2.ケーキや和菓子など、甘い食べ物や飲み物が好き
3.揚げ物やスナック菓子など脂っこいものをよく食べる
4.健康診断で血糖値や中性脂肪値が高いと指摘された
5.食べるスピードが人よりも早い
6.睡眠時間は平均で6時間以下だ
7.5年前に比べて体重が5キロ増えた
8.移動は車が中心で、あまり歩かない
9.イライラしやすく、ストレスを感じることが多い
10.いつも疲れを感じている
11.肩こりや腰痛、冷えが気になる
12.なんだかやる気が出ない
以上12項目であてはまるものがありましたか。
あてはまる項目が0~3項目の方は、ピチピチ血管で合格です。
血液がサラサラと流れていますので、栄養バラスンの良い食事と規則正しい生活を続けましょう。
あてはまる項目が4~7項目の方は、くたびれ血管で要注意です。血液は
粘ついて、血液の流れが悪くなり、血管の弾力が失われつつあります。
あてはまる項目が8項目以上の方は、ヨボヨボ血管で危険です。血液はドロドロになり、血管の老化が深刻な状態にある恐れがあります。血圧が高い・中性脂肪値が高い人は、血管事故に至る危険が高いです。不調を抱えていたら、かかりつけ医か専門医に相談しましょう。
今の血管の状態が分かったところで、老化した血管は元に戻らないと思う方もいるかもしれませんが、血管はいつからでも鍛えることができます。生活習慣も見直すことで、若々しい血管を取り戻すことができるのです。今回は『朝昼夜』に行ってほしいことを2つずつご紹介しますので、ぜひ今日から実践してみてください。
まず、血管を若返らせるために『朝』行ってほしいことです。
一つ目は、朝一番に口をゆすぎましょう。寝起き早々、水を飲んではいませんか。寝ている間、口の中では細菌やカビ、ウイルスが増殖しています。なかでも歯周病菌は『超悪玉菌』とも呼ばれる厄介者で、血糖値を調整するインスリンの働きを阻害します。歯周病菌が活発になると、血糖値のバランスが崩れて、血管の老化が進行します。寝起き直後の口のなかは悪玉菌が大量にいて、そのまま水を飲めば、悪玉菌もろとも体内に取り込むことになります。そのため、水を飲むより先に、口をゆすいでうがいを心がけましょう。
二つ目に、朝食はたっぷり食べましょう。朝食を抜くと、前日の夕食からその日の昼食までの15時間ほど絶食することになります。その状態で、昼食に麺類やご飯を食べると、糖質が一気に吸収されて、血糖値が上がり、血液はドロドロの状態になります。1日のエネルギーを補給し、ピチピチ血管を保つうえで、朝食を抜くのはもってのほかです。
次に『日中』行ってほしいことです。
一つ目に、緑茶を飲みましょう。緑茶に含まれるカテキンには、糖の吸収を抑えると同時に、血中コレステロールの増加を抑える働きがあり、動脈硬化の予防に効果的です。さらに、テアニンという成分が副交感神経に作用して血圧が安定するので、高血圧の予防と改善にも効果的です。市販のペットボトル入り緑茶なら、1日1本を目安に飲みましょう。
二つ目に、肉か野菜を先に食べましょう。胃や腸は最初に食べたものを貪欲に吸収する性質があります。そのため空腹の状態で、ごはんや麺などの糖質を先に食べると、食前は正常値だった血糖値が、食後1~2時間の間に急上昇し、すぐさま急降下します。この状態が食事の度に起こると、血管の内壁がダメージを受けて、動脈硬化が進行します。血糖値の急上昇と急降下を繰り返す人は、血糖値が安定している人に比べて、心筋梗塞や脳梗塞といった血管事故の発症リスクが1,9倍になるそうです。この血糖値の急上昇、急降下を防ぐカギとなるのが、食べる順番です。肉や魚や卵などのたんぱく質を先に食べると、栄養を無駄なく吸収しながら、血糖値の急上昇を防ぐことができます。また、野菜に含まれる食物繊維は、体内に長くとどまって糖質の吸収を抑える働きもあります。
次に『夜』行ってほしいことです。
一つ目に40℃以下のお湯に15分つかりましょう。バスタイムは血管を若返らせる絶好のチャンスです。ポイントは38~40℃のぬるめの湯につかると、体がじんわりと温まるとともに、血管が拡張して、血圧が安定します。42℃以上の熱い湯に入ると、逆に血圧をあげてしまうので、注意しましょう。入浴のタイミングは寝る1~2時間前がオススメです。ただ、注意してほしいのが、ヒートショックです。浴室と脱衣所の急激な温度変化により、血圧が乱高下すると心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす恐れがあります。冬場は脱衣所を温めて、ヒートショックにならないように注意しましょう。
二つ目に、歯間ブラシで歯の汚れを落としましょう。歯周病は動脈硬化の引き金になる疾患です。主な原因となるのが歯垢です。歯ブラシで除去できる歯垢は6割程度ですが、歯間ブラシを併用すると9割近くの歯垢を除去できます。歯を磨いた後は、歯間ブラシで歯と歯の間にある歯垢をかき出しましょう。
他にも朝昼晩に行ってほしいことはありますが、まずはご紹介したことを始めていきましょう。継続することで、血管が少しずつ若返っていきます。いつまでも健康でピチピチな血管で毎日を過ごしましょう。