取材ノート
「JAアワーより」
~クイズでインフルエンザ対策を学ぼう~
JAグリーン長野 生活課 藤澤瑞穂さん
今月のJAアワーは『クイズでインフルエンザ対策を学ぼう』をテーマにお話します。
毎年、冬から春先にかけて流行するインフルエンザや風邪。正しい対策をしないと、感染のリスクが高まったり、周囲に感染を広めたりすることになります。今回は、正しい予防の方法や暮らしの中での注意点をクイズ形式で分かりやすくご紹介しますので、インフルエンザや風邪に負けず冬を越せるようにしましょう。
最初は、『予防と治療』についてのクイズです。
第1問『インフルエンザワクチンの予防接種はいつごろ受けると良いでしょう』
1.本格的に流行する前の11月~12月に受ける
2.流行のピークとなり始める1月頃に受ける
3.かかってから受ける
答えは1の『本格的に流行する前の11月~12月に受ける』です。
様々な細菌やウイルスによっておこる病気です。流行の原因となるウイルスはA型、B型の二つですが、予防接種のワクチンはどちらにも対応しており、13歳以上なら1回で済みます。毎年10月ごろから接種できますが、効き始めるのは接種から約2週間後であること、有効期間は4~5カ月であること、インフルエンザの流行期は1月~3月であることが多いことを加味すれば、11月~12月に接種するのがベストです。
続いて、第2問『65歳以上の人はインフルエンザの予防接種の他にもやった方が良いことがあるが、それは何でしょう。』
1.接種後に血圧に変化がないかチェックする
2.接種後数日間は外出せず、安静にする
3.接種後に肺炎予防のワクチンを接種する
答えは3の『接種後に肺炎予防のワクチンを接種する』です。
続いて、第3問『抗インフルエンザウイルス薬についての正しい説明はどれでしょう』
1.インフルエンザにかかるのを予防する
2.症状が出ている期間を短くする
3.発症から72時間以内に服用するとよい
答えは2の『症状が出ている期間を短くする』です
抗インフルエンザウイルス薬の効果は、服用しないと高熱や激しい咳などが3日間続くところを1日~2日間に縮めるものです。つまり、『症状が出ている時間を短くする』薬です。一気に熱を下げたり、咳を抑えたりする効果がありません。また、発症から48時間以内に服用しないと十分な効果は見込めません。なので、必ずしも服用する必要はないと言えますが、高齢の方は重症化のリスクが高まるので、服用をお勧めします。
続いて、第4問『マスクの使い方でもっとも適切なものはどれでしょう』
1.顔をしっかりと覆うよう、大きめのサイズを選ぶ。
2.マスクを外すときはフィルター部分を持って外す
3.使い捨てマスクを、こまめに取り替える
答えは3の『使い捨てマスクを、こまめに取り替える』です。
感染時にマスクをしていれば周囲に咳やくしゃみのしぶきをまき散らしません。また、感染していない場合でもウイルスの体内への侵入を防いだり、のどの乾燥を防ぎ、感染リスクを減らしたりする効果もあります。ただ、徐々にフィルター部分にウイルスが付着するので、同じマスクを使い続けるのは危険です。
『一度外したら捨てる』くらいのつもりで使い捨てマスクを交換しましょう。
次に『暮らしていくうえでの対策』についてのクイズです。
第1問『次のうち、インフルエンザウイルスが生存しているおそれが最も高い場所はどこでしょう。』
1.ドアノブ
2.新聞紙
3.ソファー
答えは1の『ドアノブ』です。
インフルエンザに感染する主な原因は、くしゃみなどのしぶきに混じったウイルスを吸い込む『飛沫感染』とウイルスが指や顔に付着する『接触感染』です。ウイルスは髪や布に付着した場合の生存時間は約8時間ですが、プラスチックやガラス、金属などつるつるしたものに付着した場合は24時間~48時間も生存しています。そのため家の中ではドアノブやテーブル、電話機、パソコンなどに触るとインフルエンザに接触感染するおそれが高いと言えます。これらは予防のため、1日に何度も拭いた方がよいでしょう。
続いて、第2問『次のうち一番インフルエンザや風邪の予防効果が期待できる行動はどれでしょう。』
1.ビタミンCを積極的に取る
2.ぬるめの湯で半身浴をする
3.毎日、日光を浴びる
答えは3の『毎日、日光を浴びる』です
意外に思うかもしれませんが、一部の例外を除いて、ビタミンCがインフルエンザや風邪を予防するというデータは存在しないようです。それに対して、ビタミンDはインフルエンザや風邪だけでなく、肺炎などの呼吸器の感染症の予防効果があることが分かっています。ビタミンDは日光を浴びると体内で生成されるので、冬場は意識して毎日約20分日光浴をしましょう。他にはビタミンDの多いイワシやサンマ、サケ、干し椎茸などを食べるのも効果的です。
では、最後の問題、第3問『インフルエンザや風邪にかかったときの過ごし方として避けた方が良いのはどれでしょう。』
1.首を冷やして安静にする
2.喉が渇いていなくても、水分をこまめに取る
3.時間をかけて入浴して、しっかり汗をかく
答えは3の『時間をかけて入浴して、しっかり汗をかく』です。
昔はインフルエンザや風邪の時は、体力を消耗するから入浴しない方が良いと言われていました。しかし、現在はウイルスや汗を洗い流し、さっぱりとする効果があるので、つらくなければ入浴してよいとされています。とはいえ、浴槽に入るときに転倒したり、入浴中に意識を失ったりするリスクを考えると、長時間の入浴は避けましょう。かるくシャワーを浴びるか、入浴するにしても短時間にとどめるのが無難です。
『熱がある場合は太い血管のある首を冷やす』『脱水症状を防ぐため、こまめに水分補給する』『食べられそうなものを無理のない範囲で食べる』といったことも重要です。
いかがでしたか?クイズに正解することはできましたか?自分の体は自分で守れるよう、対策をしっかりとり、健康な毎日を過ごしましょう。