取材ノート
「今月の健康」
~ 血糖値について
犀南保健センター
11月14日は世界糖尿病予防デーです。そのため11月は糖尿病予防月間になります。血液中の血糖値が高いまま放置していると糖尿病になり動脈硬化や腎臓病などの命にかかわる合併症を引き起こす可能性があります。そこで今日は『血糖値について』お話したいと思います。
糖尿病とは、血液中のブドウ糖の濃度である血糖値が高い状態が続く病気です。
血糖は、膵臓から分泌するインスリンというホルモンによって細胞の中に取り入れて、エネルギーとして使うことで血糖値が下がります。しかしインスリンが正常に分泌されないと、血糖をエネルギーとして使えず、細胞が弱ってしまう上に血糖値は上がったままになります。
またインスリンが分泌されても効きが悪い場合も高血糖の原因になります。
糖尿病の予防にはインスリンの節約が大切です。インスリンは血糖値を下げる唯一のホルモンです。人が一生に使えるインスリンの量は決まっていると言われます。そのため、使いすぎると早めに尽きてしまいます。ではどのようなことに気を付ければよいのかお伝えします。
まず1つ目に、糖質の種類により血糖値の上がり方に違いがあることを知っておきましょう。私たちの体を動かすエネルギー源が糖質です。一般的には炭水化物と呼ばれます。その中でも主食となるごはんやパンなどは『複合糖質』と呼ばれ、糖の分子がくっついた状態で存在します。またジュースや砂糖の入った菓子類、果物、日本酒やビールは『単純糖質』と呼ばれます。これは口に入れたときすぐに甘みを感じます。日本酒やビールは辛みを感じるものがありますが、これは単純糖質に含まれます。『単純糖質』は糖の分子が細かくばらけて存在していますので、吸収が早く血糖値が急に上がります。急に上がった血糖値を下げるには、一度にたくさんのインスリンを使います。ジュースや甘いお菓子などを食べたい方は、インスリンを有効に使うために血糖値がすでに上がった状態の食後に食べることをお勧めします。特に血糖値の上昇が一番少ないと言われている昼食後がお勧めです。
体に無理なく血糖を下げられる糖の量は、料理に使う分も含めて1日20gと言われています。ただし、糖尿病の方、糖尿病の遺伝のある方、糖尿病の指標であるHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)の高めの方、肥満の方は10g厳守と言われています。
また、60歳を過ぎるとインスリン分泌が2/3に減るので、摂取する砂糖の量を減らす必要があります。そして、臓器が未熟な子どもは年齢によって砂糖の摂取量が異なります。1~2歳は5gまで、3~5歳は10gまで、小学校低学年から中学年は15gまで、小学校高学年から大人は同じ20gまでです。
果物は砂糖の量には含みません。大人なら1日80キロカロリーでリンゴなら2分の1個くらいです。こどもは大人の半分の量です。
2つ目として血糖値を急激に上げないような食べ方の工夫が大切です。
まず、朝食を抜かず、1日3食とることが大切です。朝食を抜くと昼食の際のインスリン分泌が遅れ、朝食をとった時と比べ、食後の血糖値が急上昇する、いわゆる血糖値スパイクを起こすことがわかっています。朝食をとることで、胃から大腸までの消化器系が動いて、インスリンの働きを良好にします。いわば朝食がインスリン分泌のウォーミングアップとも言えます。1日にとった総エネルギー量が同じであっても、食事のとり方次第で、血糖値の上昇幅もインスリンの分泌量も大きく変わってきます。
また、食物繊維の多い野菜や海藻を多く食べることで、糖質等の吸収は緩やかになるため、血糖値の急上昇を防ぎ、インスリンの無駄遣いを防ぎます。さらに主食(炭水化物)の前に肉や魚などのたんぱく質を食べることで、消化管ホルモン『インクレチン』が出て、膵臓にインスリンが出るように促してくれ、食後の血糖値の上昇が抑えられることがわかってきました。
3つ目はちょこちょこ食べに気を付けることです。
間食の回数が多いと1日のうちに何回も血糖値が上がることになります。その都度血糖値が上がるたび、インスリンも使います。
このような方は糖尿病の指標であるHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)が高くなる傾向があります。HbAc1(ヘモグロビン・エーワンシー)とは、血液中のブドウ糖と赤血球の成分である血色素(ヘモグロビン)が結合した割合を示す値です。過去1~2か月間の平均血糖値を反映するため、当日の食事や運動など短期間の血糖値の影響を受けません。そのため、血糖値がいつもどんな状態なのかわかってしまうんです。
4つ目は肥満に気を付けることです。食べ過ぎ、夜遅く食べることで肥満につながります。エネルギーとして使われずに余った糖や脂肪は、最終的に脂肪細胞に取り込まれます。糖や脂肪を貯めこんで大きくなった脂肪細胞は、インスリンの働きを邪魔する物質を出す(血糖値を下げにくくする)こともわかっています。
ゆっくりよく噛んで、食べすぎを防ぎましょう。夜8時までに済ませるのが理想的と言われています。
犀南保健センターでは、毎月健康・食生活相談を予約制で実施しています。健診の結果の見方や生活習慣の改善についても相談をお受けしています。健康カレンダーで日程をご確認いただくか、直接保健センターへお問い合わせください。
いつまでも健康でいきいきと生活していくために、血糖値をよい値にして、血管を元気に保っていきましょう。